慶應付属3中学合格への方法論(下準備編)

【Road to Keio #2-2】「慶應中等部」の面接を知る。(面接対策は直前期ではなく早い段階で。)

たくと
たくと
はじめまして、そうでない方は改めまして。

このブログは、慶應付属中専門の塾講師・家庭教師をしているたくと( @tact_roadtokeio ) がお送りしております。

さて、前回の記事で、はじめから慶應付属3中学を明確に目指すための具体的な行動として面接の対策を早い段階でやりましょう。」という話をしました。(前回の記事はこちら↓。)

というわけで、慶應付属3中学それぞれの面接について見ていきましょう。

今回は、慶應中等部の面接について

慶應中等部の面接内容を確認することで、慶應中等部がどんな受験生を求めているのかまで把握していきましょう。

慶應中等部を志望する人に限らず、慶應普通部・慶應湘南藤沢中等部を志望する方にとっても学びがあると思うので、ぜひ読んでみて下さいね。

慶應中等部の面接概要。

さて、これから慶應中等部の面接について見ていくのですが、でもその前に、念のため慶應中等部の入学試験のシステムについて少しだけ確認しておきましょう。

慶應中等部の入学試験は、1次試験2次試験に分かれています

1次試験は、算国理社の筆記試験です。この合格者のみ、2次試験を受けることができます。そしてこの2次試験で課されるのが、面接体育実技です。体育実技は合否にほとんど影響しないので、面接が2次試験の比重を大きく占めています。

【慶應中等部の入試】
・1次試験:算国理社の筆記試験。
・2次試験:面接+体育実技。

入試制度の確認はこのくらいで。

ではここから、慶應中等部の面接について見ていきましょう。

まずは概要を押さえておきましょう。

面接形態

保護者同伴面接(親子面接)

慶應中等部の面接は、受験生だけでなく保護者の方も一緒に受けます。そして、受験生と保護者それぞれに対して質問がされます。

面接時間

約10分

面接の所要時間は、受験生本人への面接が約5分、保護者への面接が約5分の計10分になっています。

倍率(男女別)

・男子:約1.6倍
・女子:約2.2倍

慶應中等部2次試験の過去3年間の倍率は以下のようになっています。

受験者数合格者数倍率
2020男子:246
女子:121
男子:171
女子:58
男子:1.44
女子:2.09
2019男子:271
女子:126
男子:170
女子:54
男子:1.59
女子:2.33
2018男子:260
女子:126
男子:153
女子:59
男子:1.70
女子:2.14

注意点としては、ここに記載した倍率は入学試験全体のものではなく(1次試験(筆記試験)の倍率ではなく)、2次試験(面接+体育実技)のみの倍率です。なかなかの高倍率です。通しの倍率はもっと高くなります。

服装

・受験生:ブレザー
・父親 :スーツ(黒)
・母親 :スーツ(黒・紺)

上記の服装の方が多いですが、とはいえ常識の範囲内であれば問題ないです。

質問の順序

父→母→受験生の順。

上記の順で質問されることが多いです。おそらく、一番緊張するであろう受験生を最後にすることで緊張を和らげてあげよう、という中等部のやさしさなんだと思います。

慶應中等部の面接の特徴。

慶應中等部の面接ですが、特徴として2つ挙げられます。それは「高倍率」、「保護者同伴」の2つです。

特徴①:「高倍率」

上記の表でも見たように、慶應中等部の2次試験(面接+体育実技)の倍率は、男子は約1.6倍、女子は約2.2倍かなりの高倍率です

これは、1次試験(筆記試験)をパスしたとしても、2次試験(面接+体育実技)で落とされることが多いということです。特に女子の場合は、半数以上が面接で落とされてしまうわけです。

「筆記試験の点数を取れてれば大丈夫。2次試験で落ちるのは、1次試験の点数が低かった人と、2次試験で非常識なふるまいをした人だけ。」とアナウンスする塾もありますが、慶應中等部はかなり面接重視の学校だと個人的には感じています。「軽い人」は2次試験で落ちやすい。「落ち着きのある人」はそのままパスしやすい。

なので、慶應中等部を受ける場合は面接への対策は必須だと思っています。と言っても、直前期に面接対策と称してそれっぽいことを詰め込むのでは、「軽い人」とみなされるような返答に終始しがちです。

このあと慶應中等部の質問内容の一覧を書いていますが、その質問に対して「こう答えれば大丈夫だろう」という考え方ではなく、しっかりと行動を伴った返答ができる状態にするために受験までの期間をフルで活用することが必要なんです。そしてその過程を通して、「(行動の伴った)落ち着きのある人」へと成長することが必要なんです。

特徴②:「保護者同伴」

そして慶應中等部の面接の特徴の2つ目は、保護者同伴」の面接であるということです。

これも個人的な感覚ではありますが、慶應付属3中学の中でも慶應中等部は特に親御さんのことを見ている印象があります。

これはつまり、受験生本人だけだと判断がしにくいから、親御さんがどんな人かを確認したうえで判断したいということです。

小学生の段階では、受験生の知性は親御さんの知性にかなり近いものがあります。親御さんが知的好奇心が旺盛だと、お子さんも知的好奇心旺盛だったりします。なので、親御さんを通してお子さんを知るために保護者同伴面接の形態をとっているわけです。

そしてそれだけでなく、慶應中等部は他の2校と比べて慶應OBのお子さんや財界人のお子さんが多いため、入学してくるご家庭のバックグラウンドには一定のラインを設けている印象があります。と言っても、慶應OBや財界人じゃなきゃダメということではありません。一般家庭でまったく問題ありません。むしろその方が多いです。具体的な職業を書くのは控えますが、在校生のお子さん・親御さんに損害を与える可能性のあるご職業だと少しきついような印象があります。(あくまでこれまでの指導経験からくる印象です。)

以上のように、慶應中等部の面接に関しては受験生本人だけでなく、保護者の方も重視されます。そのため、保護者の方の対策もかなり必須です。しかもそれを直前期にやるのではなく、前もってしっかりと準備し、試験当日に行動を伴った状態で返答できるようにしたいところです。

慶應中等部の面接の質問内容。

では、慶應中等部の面接では、どんなことが問われるのでしょうか?

慶應中等部の面接は保護者同伴面接(親子面接)なので、質問内容も「受験生本人に対するもの」と「保護者に対するもの」の2つがあります。それぞれ具体的に見てみましょう。

受験生本人に対する質問内容

慶應中等部の面接において、受験生本人に対する質問は「受験生本人に関する質問」「家族に関する質問」「受験に関する質問」の3つに分けることができます。

受験生本人に関する質問
・慶應中等部に入学したら、何をしたいですか?
・将来の夢はなんですか?
・小学校6年間で、一番頑張ったことは何ですか?
・小学校6年間で、一番楽しかったことは何ですか?
・あなたの住んでいる町について教えてください。

家族に関する質問
・両脇にいるお父さん・お母さんについて紹介してください。
・あなたはご両親をどのように評価していますか?
・親御さんに怒られた時、どんな気持ちになりますか?

受験に関する質問
・志望動機を教えてください。
・筆記試験の出来はどうでしたか?
・1次試験と今日、どちらの方が緊張していますか?
・併願校はありますか?ある場合は、どこかも教えてください。
・併願校と本校の両方に合格した場合、進学先はどうしますか?
・男子校/女子校と共学について、どちらの方がいいと思いますか?

このそれぞれ質問に対して、自分なりに答えをしっかり用意しておきましょう。

保護者に対する質問内容

保護者に対する質問の内容は、「仕事に関する質問」「子育てに関する質問」「受験に関する質問」の3つに分けることができます。

仕事に関する質問
・ご職業について教えてください。
・今日は仕事を休んできたのですか?

子育てに関する質問
・子育てでもっとも大切にしていることは何ですか?
・お子さんがもっとも目を輝かせるのはどんな時ですか?

受験に関する質問
・慶應中等部を選んだ理由は何ですか?
・慶應中等部でお子さんに何をしてほしいですか?
・まもなく受験が終わりますが、受験を終える心境を教えてください。
・受験を目指す生活の中で、もっとも大変だったことはなんですか?

保護者の方も、質問に対する答えをしっかり用意しておきましょう。

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慶應中等部の面接対策に役立つ書籍

声の教育社「親子でみる中学受験面接ブック」の一択

おそらくネット上の情報だけで面接対策をすることに少し不安を感じる方もいるかと思うので、そういった場合は面接対策の本を早めに手元に置き、空いている時間にちょこちょこ読んで不安を解消しておくことをオススメします。

とはいえ、中学受験用の面接対策本で慶應中等部に対応しているものは少ないので、オススメできるのは声の教育社の面接対策本一択な気がします。


首都圏版 親子でみる中学受験面接ブック

慶應中等部の面接に関してもしっかり載っているので、先手型で準備しておきたい方にはオススメです。

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というわけで、今回はこのあたりで。

次回は慶應普通部の面接について見ていきたいと思います。

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ではでは、ご覧くださってありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。