こんにちは、慶應付属中専門の塾講師・家庭教師のたくと( @tact_roadtokeio )です。
さて、4つ前の記事で、慶應付属3中学を目指すうえで何よりもまず最初にすべきことは「入学志願書」を書くという作業、そしてその理由(メリット)について書きました。(4つ前の記事はこちら↓。)
そしてここ3回の記事では、「慶應中等部」、「慶應普通部」、「慶應湘南藤沢中等部」の入学志願書をどうやって書けばいいのかについて見てきました。
と、ここで慶應付属3中学すべての入学志願書について見てきたわけですが、実は慶應湘南藤沢中等部を受ける場合はもう1つ大切な書類があります。
それは「活動報告書」。
というわけで、今回は慶應湘南藤沢中等部の「活動報告書」について見ていきましょう。
慶應湘南藤沢中等部は入学志願書だけでなく「活動報告書」が必要!
慶應中等部、慶應普通部、慶應湘南藤沢中等部は出願の際に「入学志願書」を提出します。そしてこの入学志願書に関しては前回までの3回の記事を通して見てきました。
だがしかし。
実は慶應湘南藤沢中等部は、入学志願書以外にさらにもう1つ提出が必要な書類があります。それは「活動報告書」です。
この「活動報告書」の存在を知らずに受験直前期を迎える人が多いこと多いこと。小6の直前期に知っても時すでに遅しです。遅すぎます。できれば小4、おそくても小6のはじめまでには知っておきたいところです。
慶應湘南藤沢中等部の実際の「活動報告書」を見てみよう!
と言っても、なかなかイメージが沸かないと思うので、まずは慶應湘南藤沢中等部の実際の「活動報告書」を見てみましょう。
今回ここに載せているのは、2021年度のものになります。
サイズ的にはA4で片面のみになっています。
では、「活動報告書」の中身を各項目ごとに見てみましょう!
慶應湘南藤沢中等部の「活動報告書」の構造。
注意書き
まず活動報告書を見てみると、最上部には以下のような注意書きが書かれています。
そう、お子さんが小4以降で行った活動の中でも慶應湘南藤沢中等部にアピールできるような活動について書くのが、この「活動報告書」なんです。
これを、小6の出願期になって願書を取り寄せ、願書を開封したタイミングで知る人が結構多いんです。そしてその時には、「いや、塾の勉強しかしてこなかったし・・・」となってしまうわけです。
だから、できれば小4の段階で知っておきたい(遅くても小6のはじめまでに知っておきたい)。そして小4~小6の期間を通して、アピールできる活動をしておく必要があります。
A欄
では、具体的にはどんな活動をしたらいいのか?
注意書きにもありましたが、それは大別するとA欄にある3つになります。
要するに、「家庭」「学校」「家庭・学校以外」のいずれかにおける活動が求められているわけです。
ではこの中のどの活動をしたらいいのか?
僕が指導している生徒さんの場合は、「家庭・学校以外」での活動を勧めることが多いです。
なぜなら、慶應湘南藤沢中等部というのは、視野がかなり広い子を求めているからです。家庭や学校といった「自分の生活圏」ではなく、そこを離れて日常では触れることのなかった世界に飛び込む、そういうチャレンジと経験を通して視野を広げることで、慶應湘南藤沢中等部が求める人物像に近づくことができるわけです。
そしてその活動は、「活動報告書」に書けるだけでなく、お子さん本人の「知的好奇心」や「知性」にも影響を及ぼしてくれます。むしろその影響の方が主であって、活動報告書は副次的なものになるんです。そういう活動をしてほしいなと思って、「家庭・学校以外」での活動を勧めることが多いです。
具体的には、お子さんの興味にもよりますが、国際協力や環境をテーマにしているNPO/NGOの活動のお手伝い(一般市民に開かれたボランティア活動など)などがオススメです。NPO/NGO職員の方々は「社会課題の解決」を目指して試行錯誤している方がかなり多いので、学校の先生や塾の先生から得られる知性とは異なった質の知性を得られることが多いからです。その経験を通して、多様な知性を身に着けたいわけです。ただ、すべてのNPO/NGOが信頼できるわけではないので、親御さんや先生がしっかり選定する必要はあるでしょう。
もしくは、プログラミング関連の活動も慶應湘南藤沢中等部が注力する分野と一致しているので、お子さんの興味に沿っていればオススメです。
B欄
そしてB欄では、A欄で書いた活動の詳細を書いていきます。
この欄は、小4~小6で実際に行った活動についてアピール要素も含めた形でとにかく書く作業になります。
ただ、この欄は文体・文構造によって親御さんの知性が垣間見えるので少し注意が必要です。子供の知性は親にかなり似る傾向があるので、親御さんの文章を通してお子さんの知性が見えるわけです。活動報告書を保護者に書かせる目的はおそらくそこにあります。
なので、この欄に関しての注意点としては、「書きたいこと」を書くのではなく、「学校側が何を求めているのか?」を意識しながら書くということです。
具体的には、「論理性」と「読みやすさ」を意識して書いていきたいところです。
C欄
そして活動報告書の最後のC欄では、取得した資格・検定について書きます。
慶應湘南藤沢中等部を目指すのであれば、「語学」や「情報(IT)」に関する資格・検定がオススメです。(この2つをすすめる理由は以下の記事に書いているので読んでみて下さい。)
語学系であれば、海外経験・英語学習経験がない場合は「英検」一択ですね。海外経験などがあればTOEICなどもありでしょう。
情報(IT)系は大人向けが多いのでなかなか難しいですが、子供向けの「ジュニア・プログラミング検定」はありかと思います。
【参考】
「 ジュニア・プログラミング検定 」
「活動報告書」から読み取れる慶應湘南藤沢中等部からのメッセージ。
活動報告書の存在を知った親御さんからよく言われるのが、
「受験勉強だけで手一杯なのに、それ以外の活動なんて無理です!」
といった言葉です。でも、この言葉を発するような状況を作ってしまっている中学受験業界に対する慶應湘南藤沢中等部からのメッセージが、この「活動報告書」なんです。
すなわち、活動報告書に込められた慶應湘南藤沢中等部からのメッセージとは、要約すると以下のようなものでしょう。
「室内に閉じこもって受験勉強ばかりしていては視野は広がりません。自分の手の届く範囲の外側の世界に出て、その世界からたくさん学ぶことのできる人だけ、わが校に来てください。」
僕がこれまで指導してきた生徒さんは、今では慶應湘南藤沢の中等部、高等部、大学にそれぞれ在籍していますが、共通して言えるのは「知りたいと思うことの幅が広い」「とにかく広く行動する」の2つの特徴を持っているということです。
この2つの特徴は、学年が上がるごとに強まっている印象があります。つまり、慶應湘南藤沢の教育の中で、この2つの特徴が強化されているわけです。そこに重点を置いた教育がなされているということです。
この点を意識して、いわゆる「受験勉強」に閉じこもるのではなく、「広い学び」すなわち「学問」をできる子へと成長させるきっかけとして、この「活動報告書」の存在を逆に活用していきたいところです。
(そしてこの点は、慶應中等部・慶應普通部でも必要とされている気がしています。なので、慶應義塾湘南藤沢中等部に限らず、慶應中等部・慶應普通部を志望するお子さんにもぜひ持ってもらいたいなと思います。)
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というわけで、今回はこのあたりで。
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ではでは、ご覧くださってありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。