こんにちは、慶應付属中専門の塾講師・家庭教師のたくと( @tact_roadtokeio )です。
前回・前々回と「慶應付属3中学を深く知る」というテーマで慶應中等部と慶應普通部について見てみました。
というわけで、今回は慶應湘南藤沢中等部について見ていってみましょう。
慶應湘南藤沢中等部のことを何となくは知っているけど、実はまだよくわかっていないなーという方を想定して書いています。
面接対策や入学志願書(志望理由)を書く際の参考にも多少はなるように心がけていますが、普通部や中等部の記事よりは弱めかもしれません。でも、慶應湘南藤沢中等部を志望する予定の方はぜひ読んでみてくださいね。
では行ってみましょう!
慶應湘南藤沢中等部の本質は「2つのキーワード」に集約される。
慶應湘南藤沢中等部は慶應付属3中学の中でもっとも新しい学校で、設立されたのは1992年です。
慶應普通部の1898年、慶應中等部1947年と比べても分かるように、歴史はまだ深くはないんです。
でも、「歴史が浅い」というデメリットではなく、「新しい」というメリットを最大限に生かしているのが慶應湘南藤沢中等部の特徴と言えるでしょう。
それは慶應湘南藤沢中等部の本質を知るための2つのキーワードにも表れています。そのキーワードとは、
- 「グローバル」
- 「情報教育(メディア・リテラシー)」
の2つです。下で詳しく見ていきましょう。
「グローバル」を重視する教育
キーワードの1つ目は、「グローバル」です。
慶應湘南藤沢中等部は、慶應付属3中学の中でも特に「グローバル」を重視した教育をしています。
これは、慶應湘南藤沢中等部Webサイトの部長(≒校長)挨拶からも読み取れます。学校説明の段落の一番はじめの部分でグローバル教育について書かれていることからも分かるように、もっとも重視しているのがグローバル教育なんです。
本校には多様な環境で育った生徒が集まり、お互いに視野を広げ、工夫された英語教育や、第二外国語教育を通して、生徒はグローバル社会で活躍する基本を身に着けます。
(「慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部 – ごあいさつ」より。)
では、実際にはどんなふうにグローバル教育の充実を図っているのでしょう?
慶應湘南藤沢中等部は、授業内容だけでなく生徒を取り巻くすべての面でグローバル教育の充実を図るための工夫がなされています。もう少し詳しく言うなら、「教員」「生徒」「カリキュラム・授業」の3つの面すべてのおいてグローバルな感覚・視野を養うための環境がそろっているということです。
具体的には、以下のようになっています。
【教員】
・教員全員が大学院で英語教授法の訓練を受けている。
・ネイティブスピーカーの教師が十数人おり、全学年・全クラスの授業を担当している。
【生徒】
・生徒の25%が帰国子女であるため、生徒間でもグローバルな視野を養える。
・7か国からの短期留学生を受け入れているため、留学生とのコミュニケーションからもグローバルな感覚・視野を養うことができる。
【カリキュラム・授業】
・週2回、ネイティブスピーカーの授業があるためクセのない英語を学べる。(帰国生は週6回)
・教科書の授業だけでなく、英字新聞や洋画・コメディードラマなどを使ったユニークかつ実践的な内容を学べる。
・高等部に進むと毎年TOEFLを受験し、国際基準での英語力を把握できる。
・高校2年からの2年間、第2外国語としてフランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、朝鮮語の中から1つ選び、学ぶことができる。
・高校3年の上級クラスは模擬国連に取り組むため、グローバルな視野を養える。
・短期・長期両方の留学制度がある。
こんなふうに、生徒を取り巻くすべての面においてグローバルな感覚・視野を培う条件が揃っているのが慶應湘南藤沢中等部の特徴でしょう。
国際理解・英語教育については、慶應湘南藤沢中等部のYouTubeでも紹介されています。3分ほどの動画なので、志望する予定の方は見ておくことをオススメします。僕も見てみましたが、学校の中でどういった英語教育が行われているのかがかなり具体的にイメージできますよ!
「情報教育(メディア・リテラシー)」を重視する教育
キーワードの2つ目は、「情報教育(メディア・リテラシー)」です。
1つ目のキーワードと同様に、慶應湘南藤沢中等部は慶應付属3中学の中でも特に「情報教育(メディア・リテラシー)」を重視した教育をしています。
これも、慶應湘南藤沢中等部Webサイトの部長挨拶から読み取れます。先ほどのグローバルの部分の引用のすぐ後には、情報教育に関する内容が書かれています。
さらに『学問のすゝめ』に「信の世界に偽詐多く、疑いの世界に真理多し」とあるように、巷に溢れる情報を闇雲に信じるのではなく、学問をすることによって正しい情報を見分ける力を習得し、情報化社会にも対応していけるようになります。一方、教員は、大学入試に左右されず、生徒がこれからの社会を生き抜くために本当に必要なものが何かを常に考え、授業内容を再検討しつつ、質の向上に努めています。
(「慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部 – ごあいさつ」より。)
「情報教育」というと、プログラミングを連想する方も多いでしょう。でも、慶應湘南藤沢中等部が力を入れているのはもっと広い意味での「情報教育」です。
思えば、僕らの身周りの「情報量」は1995年以降の約25年間で飛躍的に増加してきました。このブログも、このブログを見つける過程で通ってきたtwitterやGoogleなども情報のかたまりなわけです。
莫大な情報に溢れた社会において、僕らは「情報をいかに効率よく吸収するか」を意識しがちです。
でも、一人の人間の脳の処理能力をはるかに上回る量の情報があふれているこの社会においては、「いかに吸収するか」ではなく「いかに必要な情報のみを拾うか」という取捨選択の力こそが大切なわけです。
慶應湘南藤沢中等部は、その取捨選択の力を養うための「情報教育」を中高6年間を通して段階的に学ぶことができます。
「段階的」と書いたのがポイントになっていて、すべての生徒が無理なく習得できるように「低学年のときには基本スキル重視、学年が上がるごとにリテラシー重視」という情報教育の構造になっています。
ちょっと具体的に、6年間で学ぶ内容を見てみましょう。
【中学1年】
・ブラインドタッチ
・プログラミングの初歩
・クラウドの使い方
・情報モラルについて
【中学2年】
・Word,Excel,PowerPointの使い方
・プレゼンテーション技法
【中学3年】
・ロボット制御のプログラミング
・Webアプリの制作
・データの使い方
【高校1年】
・動画編集
・DTP
・電子書籍の制作
【高校2年】
・コンピュータの仕組み
・情報と人間社会について
・知的財産について
・個人情報について
【高校3年】
・マルチメディアコンテンツの制作
・情報通信ネットワークの仕組みについて
内容を見ても分かるようにかなり網羅されていて、高校を卒業するころには社会人として必要な情報スキルと情報リテラシーの両方を習得できるようなカリキュラム構成になっています。
ちなみに、慶應湘南藤沢中等部には生徒が利用可能なPC・タブレットが約600台あり、校内のすべてのエリアで無線LANが利用可能です。情報リテラシーを習得させることに自信があるからこそ、これだけの情報教育環境を用意できるのでしょう。
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では最後に、慶應湘南藤沢中等部の学校概要を載せておきます。
ざっと目を通しておきましょう。
慶應湘南藤沢中等部の概要
正式名称
慶應義塾湘南藤沢中等部
設立
1992年
所在地
神奈川県藤沢市遠藤5466
(小田急江ノ島線「湘南台駅」からバス約15分)
(相鉄いずみ野線「湘南台駅」からバス約15分)
(横浜市営地下鉄線「湘南台駅」からバス約15分)
(JR「辻堂駅」からバス約21分)
共学・別学
男女共学
学期
3学期制
制服
・通学時は学校指定のスラックス・スカート。(それ以外は自由。)
・式典や校外活動の際は式服を着用。
進路(高校への進路)
塾内の付属高校を自由に選べる慶應中等部・慶應普通部とは異なり、慶應湘南藤沢中等部を卒業した全員が慶應湘南藤沢高等部に進学する。
慶應湘南藤沢中等部の学校Webサイト
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というわけで、今回は慶應湘南藤沢中等部について見てきました。
今後さらに追記していく予定ですので、もしご興味あるようでしたらブログのブックマークを、もしくは更新情報を投稿しているtwitterのフォローをよろしくお願いいたします。
【twitter】
・ たくと@慶應付属中専門の塾講師・家庭教師
( @tact_roadtokeio )
ではでは、ご覧くださってありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。